門脇小学校の(旧)校舎は?
text 青池 憲司 Post 2014.7.30
ことしの3月11日からあらたに撮影をはじめた「まねきコミュニティ」は門脇町2丁目〜4丁目の住民さん23世帯60人のあつまりです。その23世帯すべてにインタヴュー撮影をしようと計画し、今回のロケでは3家庭6人の方にお話をうかがいました。あの日のことはいうまでもありませんが、いま、それ以上にわたしたちが関心をもっているのは、みなさんがこの地に住まわれてからの来し方行く末です。3月11日をはさんでの暮しの変化のみならず、世に住む日日を語っていただくインタヴューをめざしています。今回の話者のうち3人は米寿を迎えた方。語りは無碍自在に時空を飛び交います。
津波と火災の被害に遭った門脇小学校の(旧)校舎をどうするのか。門脇町、南浜町、雲雀野、日和が丘など(旧)校区の住民と市民の意見は、(アンケートによると)ほぼ二つに分かれています。解体撤去して跡地を有効利用する。震災遺構として後世に津波被害の様相を伝え継ぐ。
「石巻市震災伝承検討委員会」は7月24日、4回目の会合を開き、門脇小校舎について震災遺構として価値が高く「津波火災を語る県内唯一の施設」「惨状を知る空間があることは大事なこと」などと保存を支持する見解をだしました。
これにたいして、地元の4町内会(門脇町2丁目〜5丁目の震災前の自治会)でつくる住民組織「門脇町復興街づくり協議会」は、学校周辺は土地区画整理事業が進められ、「新たなまちづくりにそぐわない」と解体を求めています。協議会は昨年9月から、門脇小の解体を前提に居住地域にふさわしい跡地の利用を市に要望。ことし6月にも検討委員会と意見交換し、早期解体などを求めた矢先だけに反発は大きいものがあります。「市は門脇小の遺構化に関するアンケートを何度か実施している。最も重視してほしいのは、これから門脇町で暮す住民の意向です」。
検討委員会は遺構に関する意見を取りまとめ、12月に亀山紘市長に提言するという。