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撮影雑記(2)2014/1127〜1130

text   青池 憲司    Post   2015.10.28

第8次ロケ。旧北上川河口部の防潮堤工事が進行しています。右岸の南浜と門脇から中央1丁目〜2丁目の内海橋にかけての、原野とまちなかが、わたしたちの撮影領域です。このエリアを左岸と中瀬から水イカシで撮りました。船上からの移動撮影をしたいところですが・・・いずれやります。

「石巻市南浜地区の未来を考える会」のメンバーである阿部聡史さんといっしょに原野を歩きました。阿部さんの仕事は環境デザイナーで、「宮城県復興祈念公園基本計画検討調査空間デザイン検討部会」の委員でもあります。

前回の「南浜地区の未来を考える」第1回ワークショップでは、参加者のフィールドワークを撮影しました。北向地蔵、聖人堀、善海田稲荷社、ぬれぶっつぁん(濡仏堂)など、この地を語るときに欠かせない風物です。まねきコミュニティのみなさんや門小OB、OGといっしょに歩きました。

今回は、そのときに撮りきれなかった場所を阿部さんの話をききながら撮影しました。向かったのは、大きな水溜りとしか、わたしには見えない湿地です。阿部さんによれば、南浜一帯はもともと日和山からの地下水と石巻湾からの海水が入り混じるところで、震災前は旧北上川に設置されたポンプで排水していたため地表に出てくることはなかった、震災でポンプが破壊され、その後はそれが窪地に溜まるようになった、ということです。

日和山からの地下水は、自然の養分(ミネラル)を多量にふくんでいて汽水の溜りには小さな生きもの(ミナミメダカ)の姿が見えます。一面の草叢と湿地群は原野と呼ぶにふさわしい景観です。その原野が、コミュニティに変容していくプロセスを見つめるのが、新作映画のモチーフの一つといえます。

宮城県石巻市
石巻市
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