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撮影雑記(17)2016/0115〜0119

text & photos   青池 憲司    Post   2016.6.29

第21次撮影行。1月15日。晴。石巻入りして、まずは、門脇町のまねきコミュニティへ出向き、新年のあいさつ。本間英一さんと今回撮影プランの打合せと機材の準備などをすませる。大街道南の宿舎へもどる途中、中里のスーパーあいのやで夕飯の食材(たら、野菜、豆腐)を買う。あいのやは地元のスーパーでいい魚が手に入る。今夜は自己流の「たらチゲ」で石巻新年会。

宮城県石巻市
石巻市

1月16日。雪後晴。今冬いちばんの寒気がやってきた。いつものように日和が丘の定点から現地を見晴るかす。海側から雲雀野町、南浜町、そして土地区画整理事業が進行している門脇町。厳冬の新門脇地区と原野の冬景色からことしの撮影がはじまった。

宮城県石巻市
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1月17日。04時30分、宿舎出発。中瀬公園へ。「1.17 阪神・淡路を忘れない〜感謝と追悼の集い〜」を撮る。阪神大震災から21年を迎えた朝、気温1度。阪神・淡路と東日本の震災で亡くなった犠牲者を追悼し、阪神・淡路被災地から当地への復興支援に感謝する集いである。約1000本のろうそくの灯りが「祈 1.17 未来 あの日を忘れない」の文字をつくった。参加者70人が、阪神大震災発生時刻の05時46分に神戸の方向に黙祷合掌。この集いは、NPO法人「石巻スポーツ振興サポートセンター」が2012年から始めて、ことしで5回目になる。

同センター理事長の松村善行さんは門脇町3丁目に住んでいて津波に遭った。『門小映画二部作』撮影時から親しくさせていただいている。かつての住居は高盛土道路(第2線防潮堤)建設用地となり帰還はかなわない。「ことしは初めて『未来』の字を入れた。神戸の人も石巻の人も前を向いて進んでほしい」

松村さんとおなじ門脇町3丁目に住んでいて、いまは南境の仮設住宅に暮す濱谷勝美さん夫妻の姿もあった。濱谷さんは自分の敷地を、新門脇地区に建設される復興公営住宅用地として提供した。今秋完成予定の復興公営住宅に入り、門脇へかえる日を心待ちにしている。避難所にいるころの、神戸からやってきたボランティアとの交流がいまもつづいている。「地元でも東日本大震災の記憶が薄れていると感じる。二つの震災のことは絶対に忘れてはいけない」

私(青池)事でいえば、阪神大震災以後の1月17日の朝を神戸市長田区大国公園以外の場所で迎えるのは初めてである。阪神、東日本、両被災地住民の交流活動にこれまでもたびたびかかわってきたが、ことしはさらなる連帯を。

宮城県石巻市
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